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NHKの大河ドラマ「炎立つ」(平成5年)の主要な舞台となった江刺。だが、高橋克彦氏と江刺との関わりは、それだけではない。小学校4、5年生の頃、克彦氏はときどき江刺市岩谷堂(現・奥州市江刺区)を訪れていた。それは江刺市前田町(現・奥州市江刺区)にお祖母さんの生家があったからである。今、あらためて高橋氏と江刺の浅からぬ縁に触れるとともに、作家としての偉大な業績を顕彰する。
高橋克彦略年譜
■昭和22年―1947・8月6日、高橋又郎・ツヤ子夫妻の長男として、岩手県釜石市に生まれる。生後間もなく盛岡に転居。以後も医者である父親に従い県内各地を転々とする。
■昭和26年―1951*4歳・二戸郡一戸町に転居。
■昭和29年―1954*7歳・一戸小学校に入学。
■昭和30年―1955*8歳・盛岡市の母方の祖父母の家に移る。桜城小学校に転学。祖父の書庫に出入りし、読書の面白さに開眼。
■昭和31年―1956*9歳・同居していた叔父の薫陶で怪談の虜になる。
■昭和33年―1958*11歳・紫波町に父親が個人病院を開業。一家は盛岡から移る。同時に上平沢小学校に転学。
■昭和35年―1960*13歳・私立岩手中学校に入学。平日は盛岡、週末は紫波で過ごす。演劇部に入部。帰り道の貸本屋の常連となる。
■昭和37年―1962*15歳・演劇部で初めての創作として戯曲に取り組む。原稿用紙20枚ほどの戯曲「あいつ」を学内で上演。
■昭和38年―1963*16歳・私立岩手高等学校に入学。文化祭で自作戯曲「新説・高瀬舟」上演。年末には処女小説「ミコとデイト」執筆。
■昭和39年―1964*17歳・演劇部の部長となる。自作戯曲「暗い夜だった」上演。小説「コーヒー」を書く。休学して欧州旅行へ。
■昭和40年―1965*18歳・4月から2学年に復学。父親の副業の画廊で、国芳の「相馬の古内裏」を見て浮世絵の面白さを知る。文化祭で自作戯曲「ながれ」上演。他の作品に戯曲「こころとこころの間」、小説「17歳にさよなら」など。
■昭和41年―1966*19歳・脚本を担当した放送劇「三つのリンゴ」が岩手県高校生ラジオ作品コンクールで第一位に。小説「ふじこ」を執筆。高校時代最後の作品となる「死神きたりて」を文化祭で上演。
■昭和42年―1967*20歳・岩手高校卒業。札幌の予備校へ。同人誌「異端」創刊。小説「ポウズ」、小説「Mという男」、小説「長い髪の少女」、エッセイ「愛についての世間話」、小説「孤独なナルシス」、戯曲「天使のはばたき」と、創作に没頭。後に妻となる女性と知り合う。
■昭和43年―1968*21歳・紫波に戻って自宅浪人。本格的な同人誌「青塔派」創刊。戯曲「聖夜幻想」執筆。
■昭和44年―1969*22歳・「聖夜幻想」を盛岡市の県公会堂大ホールで公演。デニケン著「未来の記憶」を読み衝撃を受ける。
■昭和45年―1970*23歳・早稲田大学商学部入学。沢内村碧祥寺を野坂昭如氏が取材訪問。同行の編集者から「小説現代」への応募を勧められ、小説「ぼくらは少年探偵団」を小説現代新人賞に応募。
■昭和46年―1971*24歳・三次選考の30名に残る。小説「あまんじゃく」、小説「わかれみち」、童話「ミーコのたましい」などを執筆。
■昭和50年―1975*28歳・浪人時代から交際していた現夫人と結婚。早稲田大学商学部卒業。浮世絵研究者の道を志す。
■昭和52年―1977*30歳・初めての著作「浮世絵鑑賞辞典」を出版。
■昭和53年―1978*31歳・久慈市アレン短期大学の非常勤講師に。
■昭和55年―1980*33歳・アレン短期大学の専任講師となる。
■昭和57年―1982*35歳・中津文彦氏の「黄金流砂」第28回江戸川乱歩賞受賞に刺激され、翌年の乱歩賞を目指すことを決意。
■昭和58年―1983*36歳・「写楽殺人事件」で第29回江戸川乱歩賞受賞。
■昭和61年―1986*39歳・「総門谷」で第7回吉川英治文学新人賞受賞。
■昭和62年―1987*40歳・「北斎殺人事件」で第40回日本推理作家協会賞受賞。
■昭和63年―1988*41歳・地元放送局が高橋の原案でテレビドラマ「六芒星は知っている 199X年」を制作。
■平成4年―1992*45歳・「緋い記憶」で第106回直木賞受賞。
■平成5年―1993*46歳・NHK大河ドラマ「炎立つ」放映。
■平成7年―1995*48歳・盛岡で文士劇復活。主役を演じる。
■平成9年―1997*50歳・顧問をつとめる「みちのく国際ミステリー映画祭」を盛岡で初開催。
■平成12年―2000*53歳・「火怨」で第34回吉川英治文学賞受賞。受賞を記念して高橋演出による「四谷怪談」を盛岡で上演。
■平成13年―2001*54歳・NHK大河ドラマ「北条時宗」放映。
■平成14年―2002*55歳・NHK放送文化賞を受賞。
現在、岩手県盛岡市に在住。

高橋克彦氏についての詳細は、平凡社刊「開封高橋克彦」(道又力責任編集)に掲載されています。

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